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小千谷さくら病院長 若林允甫
進行した神経難病の方がゆっくり療養できる病院を目指して、小千谷さくら病院は8年目を迎えます。このところ、慢性期病院は、国の総医療費抑制政策、療養型病床縮小の方針のために将来展望が開けずにおりました。老人医療については引き続き厳しい中、神経難病の療養については特殊疾患療養病棟という、長期療養を可能にする制度が引き続き維持されることとなり、在宅療養が困難になった神経難病患者の皆さんが入院するに当たり、これまでと同様に入院期間を心配せずに療養に専念できることになりました。神経難病が4割を超え、常時10台を超える人工呼吸器が動いており吸引や酸素などパイピングが不足になり造設を計画しています。医師、看護師の不足は依然厳しい状態が続いていますが、神経難病の方々が、少しでもよい環境で療養できるように日々努力しています。
ALSの患者さんの中に、人工呼吸器をつけて声を出して会話の出来る人がいます。これまでは気管切開を行い人工呼吸器をつけることの最大のマイナス因子と考えられてきたことですが、もちろんALSのどの人もというわけではありませんが、むせが少なくなって口から食事を取れる期間が延長できる人もいます。失調症の方で呼吸を無視して話そうとする人がいます。こんな人も人工呼吸器を使えば話しやすくなるかと思ったのですが残念ながらそう簡単ではありませんでした。失調症やパーキンソン病の方々のコミュニケーションの問題、何とか方法をと頭を悩ませています。何とか話が出来る人については、忙しい病院では無理かもしれませんが、ゆっくり、一生懸命聞く努力をすることで会話が成立します。残念ながら私は老人難聴のために聞き取り能力が低下してきましたが看護士が補完してくれています。ストレスをためないことが長期療養には欠かせません。そのためにコミュニケーションは最も基本的なこと。職員のストレス対策も大きな課題です。入院される皆さんはもちろん、職員にとっても快適な病院にしたいと思っています。
小千谷さくら病院が発足するときに採用された職員も8年目になればベテランの域に入ります。もっと若い職員も私の老化を保管する能力を持っています。文字盤を使っての会話も当然可能ですが、出来て当たり前、看護はなかなか目立ちませんね。こんな中で職員に達成感を味わってもらうためには、各自が目標を持つことも大切です。昨年、病棟の風呂場が狸が同居しそうな山の露天風呂風に装いを変えて、壁にヨシズを立てかけ、りんごを浮かべた風呂に、入院以来嫌がっていた方が始めて入浴し、楽しそうに報告してくれました。介護福祉士のアイデイアです。また病室を暗くしてお香をたいて、(ちょっと怪しげな雰囲気ですが)アロマテラピーをやっている病棟もあります。普段は体がこわばっている方が緊張が取れて体が柔らかくなると喜ばれています。目立ちにくい看護にも何かやってくれることを期待しています。
平成20年1月5日
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